PRIDE<短編>
向かい合って座るアタシ達の会話は
今日も他愛ない。
会社の誰がどうだとか。
友達とどこに行っただとか。
だけど今日は
それだけじゃ終わらせない。
『アタシ、好きな人居るんだぁ。』
白崎の目をジッと見つめる。
勝負をかける。
「どんな奴?」
彼は不安そうな表情を浮かべて聞いてくる。
『同じ会社の人。』
落ちろ。
「え、誰!?」
『ん~身長高いかな。』
「そんなのいっぱい居るだろ」
落ちろ。
『二重で、普段は無口かな。』
「それもいっぱい居るだろ」
落ちろ。
『たまに一緒にご飯とか行くんだ。』
「え?…誰?」
彼は気付いた。
自分のことだと。
『内緒だよ~絶対教えない!!』
そう言って
アタシは話題を変えた。
勝敗は
まだ分からない。
だけど、アタシが勝負をかけるのは
ここまで。
これ以上の駆け引きで落としても
本当に落ちたことにはならない。
彼の口から言わさなければ
意味がナイ。