鬼畜な俺様執事
朔夜の視線の先、綺麗な女の子が大きな包装を抱え、笑顔で駆け寄っている。
多分、年は私と同じくらい。
色白で黒い髪は、まるで日本人形のように美しい。
赤い可愛らしい唇はほころび、頬を赤らめ、朔夜を見上げている。
……誰?
私は横断歩道の真ん中に立ち尽くした。
女の子は朔夜の腕をとり、信号を渡ろうとしている。
朔夜はやんわりと彼女を押しとどめ、信号を差した。
そして、立ち尽くした私を見つけた。