あたしと彼のオトナな契約
「あ……」
あれ?
声、出る?
「あいうえお~」
出た。
「晋也さんっ、声、出たみたい」
「…だろ?」
「うん、でもその代わり、すっっっっごい痛かった」
「はっ、お前贅沢だな。痛いのが嫌なら最初から喉悪くすんじゃねーよ」
「むっ…だって、普通に寝てただけだもん。 あたしは…」
キキッ――
あたしの言い訳の間に、車は会場に着いてしまった。
「着いたぜ。 弘明、先に降りてろ」
「え…ちょ…」
バタンッ
なんで、とあたしが言う前に、弘明は素直に車から降りてドアを閉めた。