ちょこあいす

転校生。

次の日の学校では、真っ先に月歌と花音があたしのところに走ってきた。

「ちなつおはよー」
「空斗くんかっこよくなってた?」
すぐさま顔のことを聞く男好きの月歌。
「かっこいいんぢゃない?」
と少しふくれっつらのあたし。
「なになに、ちょっとご機嫌ナナメ?」

あたしがふくれっつらな理由は簡単。
空斗の人気っぷりはすごかった。
彼女のあたしが隣に立っているっていうのに、他の女子はお構いなしに空斗のところへ走ってくる。

空斗の周りの女子で、あたしは輪の外に追い出された。
むーっとご機嫌ナナメなあたしを空斗はがんばって落ち着かせていた。
空斗だって、「俺の彼女だから」とかそーゆうことを言ってほしかったのにっ!

そのことを月歌と花音に話すと、
「ちなつかわいいなーもーっ!」
とぎゅーっと抱きついてくる。
「ちょっとー!真面目な話なのにっ!」

3人でずっと話していると、教室に先生が入ってきた。
担任の山本唄葉(ヤマモトウタハ)先生。
「はーい、席についてっ!」
先生が言うと、みんなゾロゾロと席に戻った。
「今日は転校生を紹介します。」
「転校生?」
「空斗以外にも転校生いたんだ・・・」
「あれ、転校生って空斗くんのことじゃないの?」
「違うよ、空斗は1組だもん。」
そう3人で話していると、教室のドアがガラッと開いた。
そこから入ってきたのは男の子。
「今日から3組に入る、初音翼(ハツネツバサ)くんです。」
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