ちょこあいす
その子が入ってきた瞬間にクラスの女子が叫んだ。
あたしは、空斗のがかっこいいと思うけどな。

「初音翼です。隼高校から転校してきました。」
隼高校・・・?
「ねね、隼高校ってエリートじゃない?」
「隼高校の人が桜蘭高校に転校してくるなんて・・・」
「珍しいよね・・・」

唄葉先生はあたしの隣の席を指さし、
「あそこが初音くんの席です」
とにっこりわらう。
「ちなつ羨まし-!」
と月歌が後ろで嘆いている

「よろしく。・・・ちなつちゃん?」
そう言ってニヤッと笑った初音翼。
「よ、よろしく・・・?」

初音翼は、茶髪のサラサラヘアーに蒼い目。
「目ぇ蒼い・・・」とあたしがつぶやくと、
「俺、ハーフなんだ」と答えた。

休み時間になったらすぐ、空斗のいる1組へ向かった。
「空斗っ!」
と叫ぶと、やっぱり空斗は女子に囲まれていた。
それでも空斗は、あたしが来ると
「ちなつ!」
とすぐにあたしのところに走ってきてくれた。
ちょっと、空斗の周りの女子の視線が気になるけど・・・
空斗はそんなの全く気にしていない。
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