キミのトナリ


「磨美。
着いたよ。
大丈夫?」


「うん。大丈夫。」
タクシーから降りる。

一週間振りにみた
家は
何だか
外壁から
違う建物に
見えた。



鍵を開けて
部屋に入る。



部屋は何事も無かったように
アタシを受け入れてるかの様に
感じた。




血の匂いも無かった。



浴室は
凄く綺麗だ。



「隼人が綺麗にやったの?」
振り返り
隼人に聞いた。




「ごめん。
勝手に上がって…
だけど
帰ってきた時
血の匂いとかしたら
イヤだと思って
勝手に掃除しちゃった。

本当にごめん。」
手を合わせ
片目を瞑り
謝る隼人。




なんか
面白くて
笑っちゃった。




「ありがとう。」
アタシは
そう言って
ソファーに座った。




「おいで。」
隼人に呼ばれ
手招きする隼人の膝に
座って
抱きつき
おでこに
キスをした。




「おかえり。
淋しかったよ。」
隼人がタバコに
火を付け
煙を吐いた。




「隼人…
話したいことあるって
言ったよね。
話しても良い?」
アタシは目を見て聞いた。




隼人は
何を言われるか
解っているかの様に
静かに
首を経てに振り
アタシを
片手で強く抱いた。
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