キミのトナリ


苦しい
早く迎えに来て。





また
数日して
目が覚めた。
凄く
大きな音がしたから




玄関を開けて
外を見たら
そこには
信じられない
光景が目に写った。




『何をしてるの?』
アタシは心の中で
つぶやいた。



アタシの目の前で
起こってたのは
ビックリするような
とても
悲しい
光景だった。




大きい
トラックやら
ショベルカーが
アタシの目の前にいた。



何をしているか…
もう一度
眉間に
シワを寄せてみる。
だけど
やっぱり
違わなくて
始めに見た光景だった。




神様は
意地悪だ。



アタシに
これ以上
どんな
苦痛を与えるのだろう。
神様を
恨んだ。



だって
隼人と初めて会った
場所。
それは
あの歩道橋。
まるで
織り姫と彦星が
1年に一度
会うために
渡る橋みたいな
歩道橋。




また
隼人と
巡り会わせてくれる
そう
願って
期待していた。
あの
思い出の
歩道橋が



アタシの目の前で
壊され始めていたから



アタシは
その場に崩れ落ちた。



アタシのたった
一つの希望だったのに

歩道橋があったから
待っていれたのに

これから
壊されるなんて…。



アタシは
気付いたら
走り出してた。
裸足で
必死になって
お腹に
赤ちゃんが
いることも
忘れて
ただ
無我夢中で
歩道橋へ
走り寄った。
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