首塚狩〜勾唄
序章〜惨劇開演
昭和62年夏

Y県六綉弭賀埼村
(むつみがさき)

この村には古くから
匣代祭と言われる祭がある

その日に必ず村から神隠しの被害が出る

村民全員による捜索が行われたが結局見付からず
終いになった

そして一週間が過ぎ
村の神社の境内に首無しの胴体のみの亡殻だけが
神社の宮司に発見された

そして思った事………………首は?首は何処にあるのだと?駐在の警官が隣の町にある本署に問い合わせ捜査が行われたが
首だけ未だに発見されなかった

そしてまた事件が起こった

捜査中の刑事が一人
何かを追い掛けるかのように山へと入っていった切り帰って来なかった

山狩りをしたが結局見付からず終い

翌日 村の神社の鳥居に逆さ吊りに首無しの亡殻が風に揺られギィ…ギィ…とぶら下がっていたのを
参拝に来た村長に発見された

県警本部迄出て来るハメになるが結局犯人は見付からず終い事件は継続の判を押されお蔵入りとなった

冬になり六綉弭賀埼村は雪一色となり

都会から六綉弭賀埼村に引越してきた一家が消息を絶つ事件が起こり警察は捜査を行った結果

見つかったのは一家の女の子が生存
親は首無しの亡殻で
村の郊外にある廃棄施設の付近に発見された

警察はまだ幼い女の子に事情聴取をするが女の子は意味不明な唄ばかり歌い上げ ていた

「兎が〜一匹おりました〜捕まえて
どんこらしょう〜♪
燦然なる理を〜菟を狩りぐつぐつ煮込みましょう〜♪」

一人の刑事が女の子の唄を聴いて
側に居るもう一人の
刑事に耳打ちした

「この子精神状態が悪いです。

これ以上聞き出すのは不可能ですよ」と耳元で言うともう一人の刑事は頷き

女の子を児童福祉に
引き渡した。

刑事は六綉弭賀埼村の村民の誰かが犯人ではと考え神社の宮司を事情聴取したが
何も吐き出す事はなかった。

一家消息不明に
首無しの死体
事件はやはりお蔵入りとなった。

犯人は見付からず
終いになるに見えたが養護施設に預けられた

一家消息殺人事件で
奇跡的に発見された
女の子が血みどろの姿で倒れているのを
発見された施設から
500キロ先離れた所で
警察は病院に搬送された女の子に何があったか聞いてみようとするが
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