チェリーをあげる。

「そっか…。その手があったね」




私が納得していると、




〈そうだよ…。せっかく素敵な人を見つけたんでしょ…?そう簡単にあきらめちゃダメだって…!〉




よっこはそう励ましてくれた。




「ありがと…。私頑張ってみるよ」






電話を切った後で思ったのは、


持つべきものはよっこみたいな賢い友達だってことだ。




頭に“超”がつくほど単純な私は、翌日早速、渡さんの大学の寮まで足を運んでみることにした。



夏の間やると言っていた塾のバイトは何時から何時まで行っているのかわからないし、


レンタルビデオショップのバイトだって、終わるのを待っていれば夜も11時頃になってしまう。



確実に彼をつかまえ話をさせてもらうためには、やっぱり昼間寮に行ってみるのがいいかなと思った。
< 116 / 324 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop