チェリーをあげる。

「なんだよ、きのうはあんなに海、海って言ってたのに…。あ…、もしかしてあの日になっちゃった?」




ひろぽんは人の気も知らずにあははと笑った。



「違うよー!…ったく、そういうこと言うのやめてよね…。ホントデリカシーがないんだから…」




私が怒ると、


ひろぽんは私の腕をつついて言った。




「じゃあやっぱきのうは体験できなかったんだ…?」


「え…?」


「それでそんなにへこんでるんだろ?」


「……」




私が目線を下に落とすと、


ひろぽんは再びけらけら笑い出した。




「そっか…。それでお前、朝から元気なかったんだ」




私は唇をとがらせる。




「だって仕方ないじゃん…。私、昨夜は熟睡しちゃっててさ…、目が覚めたらもう朝だったんだもん…。渡さんはまだ寝てたし、そんなことやる時間もなかったっていうか…」




するとひろぽんは「ばかだなー」と言った。




「男ってのはな、朝の方が元気なんだぞ…?なぜ寝起きを襲わなかった?」




私はすかさずひろぽんの腕をたたいた。




「バカ…!私の方からそんなことできるわけないでしょー?!」
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