チェリーをあげる。
ひろぽんは「いってー」と言いながら、たたかれた方と反対の手で赤くなったところをさすり出した。
「けどさ…、渡くんもチェリーじゃないくせに意外と真面目だなあ…」
え…?
「それともよっぽど雛に色気がなかったのかな…」
は…?
ひろぽんの言葉に、私の耳は敏感に反応した。
「ねえ、何…?その話…」
「あ?」
「だからその…、渡さんが初めてじゃないって話だよ…!」
私はひろぽんを問いただした。
「なんでひろぽんがそんなこと知ってんの…?」
するとひろぽんはあっさり答えた。
「ああ…。昨日風呂に入ったときにさ、彼に参考までに訊いてみたんだよ…。そういう経験あるのかないのか」
「え…?」
「だってさ、渡くんまで未経験だったら、もう少し打つ手を考えなきゃいけないだろ…?」
「は…?!」
「けど、渡くんももう経験済みって言ってたから、あとは雛次第かなーって思ってたんだけど…」
「は…?!何、それ…!」
私は思わず泣きそうになった。
…聞かなくてもいい話をわざわざひろぽんに聞かされたからだ。