Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜


「…ありがとう 」


人を嬉しくさせる笑顔で笑うアズさん


「……あのね アズさん」

「? うん 」

「メアド 交換しない?」


アズさんは金魚みたいに
目をデカく、見開く


「い、いいの?!」

「え?!あ どっちかっていうと
私がお願いしますですなんですが…」

「ま、待ってね、携帯…」



エメラルドグリーンの携帯

最新機種で
チップを入れると、
映画が見られる奴だ

暫く弄っていたけど
黙り込んで、
鞄から、分厚い説明書を取り出した

少し目を通して
「そっか」と言い
また、携帯を開く


「ユカちゃん、教えて?」

「え?!?!
あ……… うっ…と
あ!!な、長いから!!
アズさんの教えて下さい!」


「うん わかった」

携帯を渡されて、
オーナー情報の部分が表示されてて
そこにあるメアドを打ち込む


そして着信。


――― アズさんはそれを登録しながら
顔が少し笑ってる

「…予想通りの反応だ」

「ごっ…ごめ 」

左手で携帯
右手は口元。

青山さんまで笑ってるし


「…ししょーは
知ってるじゃないですか
…変えたの報告したし」


「灰谷には、まだ教えてないの?」

「……ぉしえらんなぃっスょ」


「教えてもいい?!」

「なっ!!何いってんのアズさん!
や も… 変えます!!
今すぐ変えます!!」

「駄目だよー!
もう登録しちゃったもーん
それにこれ、まんまのメアドだから
変更するの、もったいないよ?」


「…くっ 」


――― 迂闊だった…
本音と勢いで
…『彼』のフルネームと
"CheaーRuu"って
入れたんだけど…

コンテストのすぐ後に
メアド変えたから
まだ世間には
『彼』の名前も、"CheaーRuu"の存在も
広まってなかったから
どっか変えるとかしないで
まんま登録出来たんだ…

…定番とは言え
最後にloveってつけたのが
我ながらイタイよ…

「ユカちゃん 顔、真っ赤」

「うわ゛あああああ゙」

枕を奪って、突っ伏した






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