〇●ベリージャム●〇
恋の発端
姫菜
「クリスマス空いてる?」
リビングのソファーでだらだらしていた時に稜哉が話しかけてきた。
「……………?………空いてるけど…………」
すると稜哉の顔が妙に緩み始めた。
「じゃあさ。どっかにいかない?」
稜哉が遊びに誘ってくれたことなんか初めてだったから私は驚いた。
「あらデート?楽しそうじゃない。」
キッチンで皿洗いをしながら茶化すようにママが会話に入ってきた。
「ちちち違いますよ!!ただ………なんとなく。別に嫌ならいいんだけど………」
稜哉は戸惑った顔をした。
《ってか誘っておいて“別に”ってなんだよ!!
あたし結構嬉しかったのに………》
「いいよ。遊びに行こ。」
「っえ!!いいの?」
今度は稜哉が驚いている。