〇●ベリージャム●〇

「ありがとう。明日香ちゃん。」




その声ではっと稜哉君の顔を見る。




辛そうでもなく寂しそうでもない。




勇気に満ち溢れている表情だった。




「俺このままでいいのかな?」




コーヒーを飲みながら落ち着いた表情を見せてくる。




「気持ちはね。」




そう。気持ちだけはそのまま。




「だけどもっと積極的にいかなきゃ。」




そう。行動で示さなきゃ。




「そうだね。」




そう言って稜哉君は席から立ち上がり伝票を手に取った。




「今日は俺がおごるから。」




私は何も言うことができなかった。




だってあんなによどんでた稜哉君をここまで立ち直させたのってあたしでしょ?


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