〇●ベリージャム●〇
姫菜
私はただ呆然としていた。
《せっかく雅人君としゃべれるチャンスだったのに。》
稜哉はいっつも私の邪魔をする。
さっきだってどう考えたって邪魔する理由がどこにあるの?ってかんじ。
「もう!!なんでじゃまするの?」
「今姫菜と一緒にいるのが俺で悪かったな。」
不機嫌な顔つきの稜哉がなんか怖かった。
「別にそんなこと言いたいんじゃなくて……」
「同じことだろ!!」
キーンコーンカーンコーン
1校時終了のチャイムが聞こえた。
《助かった……》
「ほら!!今のうちに行くぞ!!」
遅刻した時は休憩時間中に学校に入る方が都合がいい。
もしも廊下とかで先生とかと会っても遅刻したってばれるのが少ないからだ。