分け合う秘蜜






いくら塾と言えど、この塾に
髪を染めてない先生は
いない、1人を覗いて。


それが宮本 彰久。


濡れたように真黒な髪に、
ノンフレームの眼鏡。


ふわふわとワックスで
少し遊ばせた髪の毛に
長い睫毛。


かっこいい、よりも
「綺麗」がぴったり似合うような
そんな容姿の男の人。


そして誰もが振り返るような
容姿のくせに、女関係に
まるで汚点はナシ。


顔良し、性格良し、仕事はできる。


そんな男に、恋してます。


「先生に、数学教えてほしいの」


「海智、俺が数学
苦手なの知ってるだろ?
他の先生に習った方が
いいんじゃないか?」



先生のバカ、気付いてよ。


純粋に先生の数学が
教えてもらいたい
わけじゃないって
気が付いてよ。


良い生徒て言う肩書きに隠した
下心を読み取ってよ…。





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