異次元の旅人(ディメンション トラベラー)
「約束は守ってくれるのだろうな!!」

姫を引き渡し大臣は扉を開いた。

姫を抱えた男は大臣の耳元に口を近づけて………

「何のことだ?」

「なっ!!」

バンッ…………

………

ヴィンセントは倒れた大臣の前でバイクを止めた。

「お仲間に裏切られたか?」

大臣はヴィンセントの手を強く握りしめた。

「わ……たしが…お…ろかだったのだ…頼むひっ……姫を………奴は…森を抜けた砦に……」

握りしめた手はどんどん弱くなりそして息絶えた。

ヴィンセントは目を閉じてやった。

「こうしちゃいられねぇな」
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