異次元の旅人(ディメンション トラベラー)
先ほど出ていった兵士がオレットをさらった男の前に戻ってきた。

「何者かが中に侵入した模様です」

「ほぅ、何名だ?」

兵士は冷や汗を流しびくびくと怯えだす。

「今のところ一人と言う報告しか……」

男は顔を真っ赤にして怒鳴り散らす。

「一人相手に何を手こずっておるのだ!!とっととそいつをやってこい!!」

そしてその部屋に声が鳴り響いた。
その声は涼しげで空気のように透き通っていた。

「悪いがもう遅いぜ!!俺の姫(プリンセス)返してもらう」

男は声のするほうに振り向いた。

「誰だ貴様!!」

「シルウィルド・ヴィンセント、ただの旅人だぁ~」
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