異次元の旅人(ディメンション トラベラー)

出会いと別れ そして…

次の日

朝早くからヴィンセントは支度してバイクに跨った。

「まっ、これでおさらばだな……少し名残惜しいがな~」

エンジンをかけてアクセルを一杯に絞ろうとした時だった。

「ど~こ行くのよシルヴィ」

「オレット……」

ヴィンセントはバイクから降りてオレットに近づいた。

「悪いな…俺は旅人だからな、旅立たなきゃいけね~」

「分かってるよ……でも黙って行くこと無いじゃない………最後にサヨナラぐらい言わせてくれたって良いじゃない」

オレットは泣きながらヴィンセントの胸に飛び込んだ。
涙を隠すように顔を押し当てる。
ヴィンセントはオレットの頭を優しく撫でた。

「それは……悪かった、こうなるのが嫌だったんだ」

オレットはちょっと待っててと言うと一回中に戻って行った。

次に現れた時オレットの服装は初めて会った時の物になっていた。

「一応聞くが何が言いたい?」

オレットは自信満々に腕を組んだ。

「私も一緒に行くのよ!」
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