異次元の旅人(ディメンション トラベラー)
城の門番は暇で仕方がなかった。

「眠て~」

「何か起きね~かな」

などと呟きながら欠伸や石で地面に絵を描いていた。

ふと門番は大きな音を聞いて前に向き直った。

二人の人間を乗せた一台のバイクが真っ直ぐ突っ込んで来るのだ。

それを何もしないまま城内に入れてしまった。

門番は微笑みながらもう一人に聞いた。

「お前何か見たか?」

「いぃや」

二人はそこで大笑いした。

…………

「お前は何で付いてきたオレット!!留守番だって言っただろ!!」

「前向いて運転しなさい、危ないでしょ」

「たっく~、怪我しても文句言うなよ」

二人を乗せたバイクは所々人をはね飛ばしながら、ブラインドが居る部屋を目指した。
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