異次元の旅人(ディメンション トラベラー)
シルヴィは王の前で片膝をついて頭を下げた。

「汝名をなんと言う」

シルヴィは下げていた頭を勢い良く上げた。

「俺はシルウィルド・ヴィンセントだ、礼がすんだらすぐにでもここを出ていきたいんだがね?」

すると王の隣にいた大臣が顔を真っ赤にした。

「貴様!王に向かって何という口の聞き方だ!」

王は興奮した大臣を落ち着かせた。
それにしてもシルヴィには落ち着かない広さである、赤い絨毯が一面に布かれ王が座る椅子は黄金に輝いている。

大臣が落ち着き王はシルヴィに向き直った。

「娘のオリオを救っていただき感謝します……ところで娘から聞いた貴方の腕を見込んで頼みたい事があるのです」
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