空の神衣
「晶がいてくれる。ただそれだけで、津也の心は休まってるはずよ」

 抜く棒を選びながら、闇珠が晶を見る。

「波動が落ち着いているわ。戦う前としては、いい状態ね」

 腕組みをして顎を掻きながら、晶を見上げる。

「シオンは容易く勝たせてくれる相手じゃない。最後の戦いに余力を残そうなんて考えは、捨ててかからないと」

「まあ、マジで全力出さんと死ぬやろな」

 晶は自身がシオンと対戦した時のことを思い出し、険しい顔になる。

「かと言って、最後の敵は万全でも喧嘩にならない相手よ。せめて休養は十分とらないと」

 選んだ棒を横へずらそうとするが、手元が狂った。

「あっ」

 声をあげると同時に、木組が崩れる。

 ガッシャン!

「あ~…」

 手を伸ばした体勢のまま、闇珠はうなだれる。
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