キミがいたから【さみ短2】
居なかった分を埋めるかのように


今日は満月が空に昇っていた




とある場所


とある樹




それは枝いっぱいに花を付けた桜の樹




桜の先端


いちばんてっぺんの飛び出た枝に


たった一枚花びらが揺れていた





真上に満月を迎え


夜桜は鮮やかに咲き乱れている




そして一枚


満月の光をいっぱいに浴びたてっぺんの花びらが




ゆうらりその身体を枝から離した








『何だ、本当はたくさん仲間が居たんだね。ボク、気が付かなかったよ。』





花びらは一度空に巻き上げられてから



下へと向かった























































花びら一枚

月明かりの下心地良さそうに

地面の上で眠りについた




お・わ・り









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