ちびねこ物語
相手は何も応えないんだ。

 
「もしもし、もしもし・・・?」

「・・・・・・・・・・・・・」



まるで暗闇に向かって話しかけているみ

たいで、気持ち悪い、とママが言った。


2日目はたまたま。

3日目は偶然。

4日目になるとさすがに身構えるように

なり、電話を睨むようになった。




プルルルルルル・・・・・・

プルルルルルル・・・・・・



あの音が聞こえてくると、ママの足音は

ぴたりと止まる。


それが1ヶ月、2ヶ月と続き、パパに相

談しようか、どうしようかと迷っていた

が、

パパが早く帰ってくる日は、かかってこ

ないことに気がついた。


安心したいはずなのに、嫌な考えが頭を

よぎる。
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