先生、ずっと愛してる。
………勝手にしろ?




それって…




私が中田先生のものに、なってもいいって事?




あまりのショックに涙も出ない。




「言っとくけど、お前じゃ無理だ。いい加減あきらめろ」




「それはどうかな」




不適な笑みを残して出て行った。




それから、沈黙だけが流れ…




ホッチキスの音とプリントの音だけが響く。




勝手にしろ……




勝手にしろ……




その言葉が、頭の中をグルグル回る。




もう私は、先生のものじゃない…




そう言われた気がした。




「あいつ…ああ見えて、お前の事、本気だぞ」




何…言ってるの?




そんなの先生の口から聞きたくない。




渡さないって言ってよ。




俺のものだって言ってよ。




ねぇ…先生。




「私が中田先生の所に行くとでも思ってるの?」




「んなわけないじゃん。俺は、お前を信じてる。何があっても…」




さっきまで出なかった涙が、とめどなく溢れてくる。




やっぱり繋がってる。




私の心と、先生の心が…




『信じる心』で繋がってる。




「ゴメンな。今は抱きしめてやれない…」




「うん…」




いいんだ…




心の中では、抱きしめてくれてるって、今なら分かるから。




先生は私が泣き止むまで、頭を撫でてくれた。




何度も…何度も…




「これくらいいいよな」って言いながら…




何度も…
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