先生、ずっと愛してる。
本当の中田先生
そして放課後――。




ずっと気が重かった。




離任式での中田先生の挨拶も、心が無のまま聞いていた。




「中田先生、最後に彩音と話したいなんて、本気で好きだったんだね…」




梨華に話したら、そう言われた。




もし、そうだったとしても…あんな事してたら嫌われるって分かってただろうに。




本当に、何考えてんのか分かんない!!




「はぁ~…」




重い足取りのまま、社会科準備室に着いた。




ガラッ―――。




「お~、ゴメンな」




先生が、そう言いながら入ってきた。




……っと、その後ろに……中田先生。




思わず目を反らす。




「彩音、俺がいるから安心しろ」




「うん…。それで…話しって何ですか?」




中田先生がいると、体中が反応して拒否ってる。




早く終わらせて帰りたい。




そしたら、明日から平和な日が来るのに…。




「上原…ゴメン!!」




「……えっ…?」




先生と私の声が重なる。




中田先生が…私に頭下げてる??




一体…どうなってるの?




「謝って済む事じゃないよな。でも、どうしても謝りたくて…」




かなり驚いた。中田先生が謝るなんて…




「謝るぐらいなら、何であんな事してたんですか?」




「俺…結婚を約束した彼女がいたんだけど…二股されてたんだよ。知らなかったのは俺だけ。彼女が妊娠して知ったんだよ。俺は必ず避妊はしてたからな」
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