先生、ずっと愛してる。
「三者面談以外のヤツは早く帰れよー」




「彩音、先帰るね。頑張って!」




「うん…」




先生は…何とも思ってないのかな?




寂しかったりするのは…私だけ?




それとも…




隠して、普通に教師やってるの?




いろいろ考えているうちに、私の順番になった。




教室に入ると、微笑んでる先生がいた。




ドキッ――。




久しぶりの2人っきりに、かなり緊張する。




「どうする?進路」




「んー…まだ、やりたい事も見つからないし、ゆっくり考えようと思って」




「そうだな。俺の給料じゃ、養っていけるのもギリギリだしな」




よかった…。ちゃんと婚約者だ。




最近は、それすらも夢だったんじゃないかって思えて…




「先生…私…」




「ん?」




「先生に抱きしめてもらいたい…」




言えた…。真っ直ぐ先生の目を見て。




「彩音…」




フワッ―――。




これだ…先生の温もり。




抱きしめられるだけで、こんなに愛しいと思えるなんて…




本当に好きなんだな。先生の事が…




「もう限界…寂しすぎて死にそう」




「先生?」




「俺…自分だけが寂しいんだって思ってた。いつも彩音は笑ってたから」




先生も同じだったんだ…。




私みたいに、元気を演じてたんだ。




「私も…寂しかった。先生の温もり、忘れそうだった」




お互い、抱きしめる力が強くなった気がした。
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