短編集
「…なんでそういうことするんすかー。せっかく一緒に外に出れると思ったのに…」
ふてくされた声で言いながらデルタを抱き上げた。
「…しょうがないだろ…太陽は嫌いなんだ…」
「…そうなんすか?…それは初めて聞いたっすね…」
ユキナは以外という感じでまたベットに腰掛ながら言った。
「…嫌いだよ。大嫌い。外に出るくらいなら死んだ方がまし」
「そこまで言うっすか。ずいぶん嫌いなんすね…」
呆れているのか、ユキナの声は少しトーンが落ちていた。
「おかしいだろうけど、それほどこのとなんだよ…」
僕のような人間はいないだろうけど、と呟いた。
人間は残酷なほど欲を持つ。
それがいやでここに閉じこもったのだ。
なぜかユキナだけは許せた。
いつ出会ったときのことは忘れてしまったが、こんなにも欲の少ない人間に会ったのは初めてだった。
「…カナメ君?」
「…なんでもない」
なにも言わず少しうつむいた僕にユキナが呼びかけた。
僕はまたパソコンの画面を見つめて答えた。
ユキナはその後もなにかと騒いでいたが、相変わらず僕は外に出ることはなかった。
おわり。
ふてくされた声で言いながらデルタを抱き上げた。
「…しょうがないだろ…太陽は嫌いなんだ…」
「…そうなんすか?…それは初めて聞いたっすね…」
ユキナは以外という感じでまたベットに腰掛ながら言った。
「…嫌いだよ。大嫌い。外に出るくらいなら死んだ方がまし」
「そこまで言うっすか。ずいぶん嫌いなんすね…」
呆れているのか、ユキナの声は少しトーンが落ちていた。
「おかしいだろうけど、それほどこのとなんだよ…」
僕のような人間はいないだろうけど、と呟いた。
人間は残酷なほど欲を持つ。
それがいやでここに閉じこもったのだ。
なぜかユキナだけは許せた。
いつ出会ったときのことは忘れてしまったが、こんなにも欲の少ない人間に会ったのは初めてだった。
「…カナメ君?」
「…なんでもない」
なにも言わず少しうつむいた僕にユキナが呼びかけた。
僕はまたパソコンの画面を見つめて答えた。
ユキナはその後もなにかと騒いでいたが、相変わらず僕は外に出ることはなかった。
おわり。
