カラフル・バニー

繋がらないパズル

久しぶりの通常授業。眠気が嫌というほど襲ってくる。教室は賑わいあたしは静かに、うつ伏している。

なんなんだ。この差は。


「おーい、浬子。大丈夫かぁ?渚がますます人気出てきてショック受けてるのか?」

「だっちょっと、シッ!聞こえるでしょーが」


あたしは渚へと会いに来たイチの口を、慌てて塞ぐ。そして左右に首を振り、誰にも聞こえてはいないか確認をした。


「違うもん。イチの馬鹿野郎。どうすんの、渚に聞こえてたら」

「あ?俺がなんだって?」

「!」

「よぉ渚!」


呑気に挨拶をかますイチとは逆に、あたしは椅子ごとひっくり返った。


「何やってんだ。てめーは…」

「ききききき聞いてた!?今の内容!」

「は?聞こえるわけねーだろ。今来たばっかなのに」

「良かった。なんでもないよ!ね!?イチ、さっちゃん」 
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