スリーズ・キーノート
5




あの後、僕は学校に行く気になれずそのまま家に帰った。母さんは働いてて日中いないし、いつも家に帰ってくる時間は僕の方が早いからサボったなんてバレないだろう。
父さんは父さんでそのままどっかに行ってしまったし(ジュース以外になんか奢ってくれればよかったのに)、僕には話を聞かされた為に生まれた虚無感と訳の分からない無力感を感じて、家路に着いた。

真っ直ぐに自室に向かって、ドアを開けてすぐに床に鞄を投げる。フローリングから痛い音を聞いてから、ベットに体を投げた。
バネが軋み、それが静かになると遠くで犬の鳴き声が聞こえる。ああ、隣の奴だ。あいつ、五月蝿いんだよな、なんて紛らわすけど……父さんに聞かされた話が忘れられない。
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