スリーズ・キーノート

父さんは背もたれに寄りかかり、顎に右手を当ててしばらく考えた。
細い目を更に細めた後、一つの答えを導き出したみたいだった。

「僕が、彼女を許さなかった。」
「それで、許して、来たの?」
「……そう、なるのかな。」
どんな喧嘩をしたんだよ。
この静かそうな父さんは実は、ドメスティックバイオレンスをするとか?それとも母さんが浮気をするとか?……どっちも考えられないな。特に母さん。
とにかく、別れた原因は母さんにあるんだ……。

「やり直したい?」

それを真っ直ぐ聞いてみると、父さんは吹き出して笑う。笑うとこか?
「勿論さ。だから来た。」
「……。」


「君の母さんと、結婚したい。」
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