少女人形(短編集)
幸せだった、のかもしれない。
身体はいつも装飾されたドレスに包まれて、
床には刺繍の施された毛の長い絨毯、
天井から吊り下げられたレースのカーテン、
溢れるほどの愛らしいお人形達、
寝台にはシルクのシーツ羽毛の枕、
机の上には花瓶と砂糖菓子が乗ったお皿、
いつの日か止まってしまった振り子時計…
部屋に一つしかない、小さな窓……
扉には頑丈な、錠前………?
私は。
この箱庭でいつか飼い殺されることを知っていた。
けれども、
この鳥篭からは永遠に抜け出せないことも知っていた。