中絶~僕は君を殺したい~
10‐6 なかにわ



「心配したよ」



藤田さんがそう言った。



「すいません。ただの貧血なんですけどね」


「それならいいけど最近かおいろ悪いよ。なにかあったのかい?」


「いや何でもないんですよ。本当に」



「からだが基本だからね。」



「そうですよね。」



少しの間を経て。



「あ、そうだ。あの時にフリスクケースどっか行っちゃったんですよ。またいただけませんか?それかどこでいただけるか教えてほしいです」



無意識に早口になる。


いっしゅんの間がこわかった。



「あーいいよいいよ。しせつにストックあるからある場所教えておくよ」



軽い口調で答えた。



「それなんですか?」


小田が言う。



「あー小田くんにも場所教えておくよ」


とニッコリ笑った。
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