リアルシティー〔前編〕
「え~っ、現在、我が社が開発しているゲーム『RealCity』は、皆さんもご存知と思いますが、数年前から欧米でブームになり400万人の利用がいるといわれるネット上の仮想空間で、現実とは別のもうひとつの生活を楽しむバーチャルなコミュニティーサービスがあり、それにゲーム性を持たせたものです」
「皆さんに承諾書を書いていただいた後に装着して貰ったモニター装置が、Keyになります。モニター装置には、1㎝角のチップと4個のセンサーが組み込まれ、皆さんの脈拍や血圧、興奮度等評価データを計測します」
「え~っ」とどよめきが起こった。
 「また、モニター装置を専用コードで皆さんの第3世代携帯に接続して、皆さんが食べた食事を携帯カメラで撮影すると、インターネット接続時に先ほどの脈拍や血圧などの評価データと一緒にセンターにデータが送られ、筋肉増加やエネルギー計算のデータになり、皆さんが選択したキャラクターに反映されます」
「さらに、在宅時はファミコンなどのオンライン型ゲーム機かパソコンからインターネットでセンターに接続しますが、外出時はモニター装置を携帯に接続してコントローラーとして使います」
「1ヶ月のモニター期間の28日は普通に過ごしていただきますが、最後の2日はトーナメント方式で対戦していただきます。トーナメントで優勝した方には、さらに百万円のボーナスを進呈します」
「凄い~っ」
歓声がわきあがった。
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