この胸いっぱいの愛を。
「これ、絶対そうだよ!
将一郎に告白なんて、勇気あるなぁ」
………ラブレター?
………告白?
状況が、全く把握できない。
柊也は何を言ってるんだ?
何だかよくわからないが……
「これは、果たし状じゃないのか?」
「違うよ、ラブレターだって!」
自信満々といった感じで楽しそうに笑っている柊也。
どこからそんな自信が湧き出てくるんだ……
これはどう見ても、俺への挑戦状ではないか。
「将一郎もついにモテ期突入かもね♪」
「……なんだ、それは」
いつもに比べて大分興奮気味の柊也を横目で見て、俺はため息を吐いた。
「とにかく、俺はもう行くからな」
「そっか、待たせちゃ悪いもんね。
早く行ってあげなよ♪」
これ以上一緒にいても時間の無駄と判断した俺は、楽しそうな柊也を置いて歩きだした。
自分が足止めしていたくせに「早く行ってあげなよ」なんて……
自分勝手にも程があるだろう。
俺は柊也の笑顔を頭から消し去って、体育倉庫へと足を進めた。
.