砂漠の王と拾われ花嫁
莉世は入り口に立つとざわめいていた声がぴったりと止んで注目された事がわかった。


思わずカシミールの背に隠れる。


「さあ、姫様 ラシッド様がお待ちです」


一瞬の出来事に怯んでしまった莉世にカシミールは腰を低くして促した。


新年の宴でもこんなに注目を浴びる事はなかった。


やっぱり衣装のせいだ・・・。


今すぐ回れ右をして帰りたい気分だ。


「姫様?」


「カシミール・・・・」


不安げな瞳を向けた時、莉世に注目していた人々が場所を次から次へと場所を空けて行きそして頭を垂れる。


そして莉世の瞳にラシッドが映った。



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