砂漠の王と拾われ花嫁

* * * * * *



「マハル、リセは私の寝室にいる」



翌日、莉世を起こしに来たマハルはラシッドと居間でばったり会って急いでお辞儀をする。



「ラシッド様・・・」



マハルはラシッドの言葉に驚いて唖然とした顔になる。



「心配するな、ただ眠っているだけだ」



この数週間、2人は一緒に眠らなくなったので、この展開に驚いている。



ラシッドの言葉を聞いて気に揉む事はなかったのだと取り繕う。



「何かいいたそうだな?」



「姫様にたくさんのご縁談があると聞いています ですから・・・ラシッド様もこれから妃を迎える御身・・・」



マハルの言葉にラシッドがクッと笑った。



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