砂漠の王と拾われ花嫁
「父上」



タージルがいつの間にか部屋に来ていた。



「なんだ?タージル」



ファティマ同様、タージルも目に入れても痛くない存在。



「お話があります」



緊張した面持ちで言うタージル。



そんなタージルにファティマは召使いを追い払い姿勢を正した。



「タージルお兄様ったら改まってどうしたの?」



「父上、わたしはリセ姫が好きです 娶りたいと思っております」



父親に告げるタージルは真剣そのもの。



「なんだと!?」



タージルの言葉にタヒールは唖然とした。



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