砂漠の王と拾われ花嫁
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「お父様、ラシッド殿下はまだわたくしと会ってはくださらないのですか?」
召使いに指を丁寧にマッサージされながらファティマは入って来た父親に問う。
「おお、ファティマ 今日も美しいぞ」
「お父様、聞きたいのはそんなことでは無いわ 早くラシッド殿下とお会いしたいの」
形の良い唇を突き出して言う。
「殿下はなかなか忙しくてな すぐに会えるとも」
「早くお会いしたいわ」
「邪魔な娘を排除している最中だからな もう少し待ちなさい」
タヒールは笑みを浮かべる。
さて、早くしなければ娘も痺れを切らしてしまうな。