砂漠の王と拾われ花嫁
窓の外を見てから再び父親の顔を見た時は、真剣そのものの表情に戻っていた。



「父上はリセ姫が邪魔なのですよね?ファティマを殿下の妃にさせる為には彼女が邪魔だ」



それゆえに今までちくちくと彼女を父上は苛めていた。



気丈なリセ姫は告げ口するような事はしなかった。



ラシッド殿下がリセ姫を大事に思っているのは一目瞭然。



彼女もこの世界で拾ってもらったラシッド殿下を頼りにしている。



いつも寡黙で感情を外に現さない息子が初めて欲を言った。



タヒールは少し考えねばと思った。



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