砂漠の王と拾われ花嫁

左手


* * * * * *




「うううぅ・・・・姫様っ・・・」


ベッドに横たわり莉世をマハルは嘆いていた。


「マハル、すぐに良くなる」


ラシッドがマハルの肩に手をかけ慰めるが涙は止まらない。



暴れ馬の直撃はまぬがれたものの身をかわした時に頭をぶつけた。



ぶつけた時に頭を切り、眠っている莉世の頭には包帯が巻かれている。



「姫様・・・姫様・・・」



莉世がまだ意識を取り戻していないのでマハルは酷く取り乱していた。



「ん・・・・・」



莉世が小さく呻いた。



「リセ!?」



「姫様!?」



2人の声に莉世はゆっくり目を開けた。




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