砂漠の王と拾われ花嫁
「お兄様・・・マハル・・・」



目を開けると心配そうなラシッドと涙でぐしょぐしょになった顔のマハルが目に入った。



「姫様!ようございました」



莉世が目を覚ましてうれしく再び泣き始めた。



「リセ、痛いところはないか?」



侍医は大した事はないと言っていたがラシッドは心配だ。



厩舎で倒れ頭から血を流していた光景がまだ脳裏に残っている。



「わたし・・・・」



一度目を閉じて考えると厩舎での事を思い出した。



「馬に蹴られたんだ」



「覚えています」



あの時は恐怖を感じた。



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