砂漠の王と拾われ花嫁
「リセはどの方向へ行った!?」



「姫君はあちらへ走っていかれましたがどうかなさったのですか?」



何も言わずにラシッドが指を指した方向へ行こうとするとアーメッドが止める。



「大事な会議でございます 欠席する事は出来ません」



「アーメッド、リセを探して部屋に連れ戻すんだ」



あの左手ではこの敷地から出てはいけまい。



大事な会議の為に莉世の事はアーメッドに任せ広間に向かうラシッドだった。







部屋を飛び出した莉世はわき目もふらずに厩舎へ向かっていた。


もう嫌っ!日本へ帰りたい・・・。


お兄様なんて知らないっ!


あたしを愛していると言ったのに何も変わっていない。


日本へ帰りたい・・・。



どうしたら帰れるのかと考えるとあの場所しか考えられなかった。



あの場所へ行けるかわからないが砂漠へ行けば何かが変わるかもしれないと思った。





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