砂漠の王と拾われ花嫁
少し行っただけで莉世は眩暈がしてきた。



目の前がちかちかして火花が飛ぶ感じ。



頭を振って気を取り直す。



後ろを振り返ると宮殿も街もまったく見えずに回り一面が砂だけになった。



神様、早くわたしを日本へ、パパとママの所へ帰して!



シラユキの歩みが遅くなってきた。



暑さでばててきたらしい。



「ごめんね、シラユキ・・・・」



シラユキの首元を撫でて小さく呟いただけなのに熱い空気が喉まで入り込んでくる。



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