砂漠の王と拾われ花嫁
その後、莉世は眠る事が出来ずにラシッドの胸の中でじっとしていた。



そろそろ空が白んでくる時、馬の蹄の振動をかすかに感じた。



「?」


ラシッドは眉を寄せ、腕の中の莉世の身体も一瞬こわばった。



ガラーナも何かを感じたのか顔を持ち上げた。









「ラシッド様~」


「姫君~」



自分たちを呼び声がかすかに聞こえた。



莉世は身体を起こした。



「あの声は!?」



「あぁ・・・アクバールとカシミールあたりだろう」



ラシッドは顔には出さなかったが安堵した。



< 360 / 491 >

この作品をシェア

pagetop