砂漠の王と拾われ花嫁
「カシミール、助かったぞ 礼を言う」


ラシッドは莉世を抱き上げる。



「いえ、殿下のおかげで奴は私が近づくのに気づきませんでした」


ラシッドが気を男の気をそらしたおかげでカシミールは近づく事ができたのだ。



* * * * * *



ラシッドは先ほどの場所に莉世を横たえ布を池の水に浸した。



「殿下!私がやります」


「いや、いい それより、毒消しを持っているか?」


布を取り上げようとするアクバールを制して聞く。



「もちろんでございます 食料も持ってまいりました」



馬の背に縛り付けられていた袋をドサッと下に下ろした。




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