砂漠の王と拾われ花嫁
お酒とつまみがテーブルの上に整えられた。


莉世の前には食事が用意された。



「お前たちは下がってよい」


用意が終わるとラシッドはマハルとアーメッドを下がらせた。




莉世はさきほどすれ違ったタヒールの話を聞きたかったが抑えていた。



「リセ?浮かない顔をしているな?何かあったのか?」



「何もないです」



そう言いながら首を横に振る。



細かくみつあみされた栗色の髪が左右に揺れる。



それをラシッドは一房手にする。



そして口元に当てる。



「お、お兄様っ」



「お前の髪はなんとも心地いい」



笑って言うと髪から手を離しあごに手をかける。



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