砂漠の王と拾われ花嫁
「王様でも出来ない事もあります」


「リセ!お前はわたしが嫌なのか?」


ラシッドの心が苛立つ。



「嫌だなんて言っていませんっ」



「ではなぜ?」



「わたしでは妃に相応しくないからですっ!」



ラシッドは起き上がって長衣を羽織っていた。



「相応しくないだと?お前はそんなに弱虫なのか?」



莉世はシーツを身体に巻きつける。



「そうよ 弱虫ですっ いつもビクビクしているわ」



売り言葉に買い言葉・・・・。



莉世はそう言っていた。



「お前を弱虫に育てたつもりはないぞ・・・・ではお前の望みどおりにしてやろう」



「お兄様っ?」



そう言うと部屋を出て行ってしまった。



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