砂漠の王と拾われ花嫁
湯殿で莉世を奪う事はせずに部屋に戻ってきた。



自分の寝室のベッドに莉世を横たえる。



莉世の顔はいつもより赤く、湯にのぼせたようだった。



いや、ラシッドにのぼせたのだろうか。







「莉世、明日結婚式を挙げよう」


ラシッドに腕枕をされた莉世は驚いて起き上がった。



「お兄様っ?そんな唐突に」



「前から言ってあっただろう?」



「でもっ 大臣や長老たちから反対されていると聞きました」


「わたしは王だぞ?」


有無を言わさないとばかりだ。



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