砂漠の王と拾われ花嫁
莉世が「秘薬」を飲んだ事はまたたく間に宮殿に広がった。



ファティマは莉世が苦しんでいると聞いて喜んだ。





「お父様っ もうリセが目を覚ます事なんてありませんわ 「秘薬」が効くはずがありませんもの」



「なぜお前が「秘薬」の事を知っておるのだ?」



タヒールは娘の上機嫌に満足していた。



「わたくしはバカではありませんわ 昔聞いた事がありましたの 「秘薬」は侍医の元にあると それで文献を調べてあの娘に助言したのですわ」



「さすがは我が娘」



隣に座っていたファティマの手をポンポンと愛しげに叩いたのだった。




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